洋ラン栽培の基本

宮城県に越してきて20年以上になります。3頭の愛犬を飼い、3人の子を育て多くの洋ランも育ててきました。

ペット・子供・ラン・・・共通しているのは生き物としての個性だと気がつき、相手の気持ちになってわかろうとする情熱と愛情をそそぎ続けることが大切だと思うようになりました。そんな私のつたない洋ランへの想いを宿でお客様と語らえたら幸いです。

ランに限らず植物を育てる大切な基本は、いかにして発根を促し、植え込み材料に根をなじませ、最大限に根を張らせるかだと思います。多くのランは着生している為地生の植物のように広く大量な根を必要としません。根は自身を樹上や岩場に支えさせる為でもあり、また、着生ランの多くは葉面から水分を取れることからも、根の生育には細心の注意を必要とします。

下の写真マスデバリアで実際に根の状態をご覧下さい。

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オバアビス (Masd. ova-avis) の根の状態です。

水苔の場合は鉢からそっとぬいて見てみましょう。このような状態が健全な株です。

ミックスコンポストの場合は見ることができませんが、根が死滅して葉面から水分を取って生き延びている株も多く見られます。

ミックス・コンポスト
複数のコンポスト(植え込み材料)を混ぜて作ったもの。Mix Compost
たとえば、軽石、バーク、ヤシガラ、石灰石、蝦夷礫、活性炭・木炭、パーライト、牡蠣殻などを独自の配合で混合したもの。

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我家では現在、水苔と樹皮を細かく裂いたものを半々にしてやや硬めに植え込んでいます。

クール種は夜温が下がることが絶対条件ですので扇風機の送風と必要に応じて、クーラーまたは涼風扇などを活用すると良いでしょう。

クールオーキッド
熱帯の山岳地帯(標高2,000~3,000m級)に自生しているため、夜間の高温を嫌うランの通称。昼間は25℃ぐらいの気温に耐えるが、夜温は15℃以下の低温が必要だと言われている。

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マスデバリアコーナーです。

山間部なので遮光は夏場でも30%程度ですが、吊り鉢にすると元気に育ちます。