以前日本に入ってきた山採りの株は、とても環境に敏感で気難しかったのですが、最近は実生の株が出回っているので以前よりは育てやすくなりました。
うちでは現在、上の写真のように外に出して、雨に当て、無風の日は隣接の小屋から大型扇風機の回転を落とした風を送っています。これまでの私の栽培方法で参考になることがあればよいのですが・・・・
雨に当てる
涼しい木陰にぶら下げて自然の雨に当てると葉が活き活きします。つい温室内や冷房設備の中で過保護にされがちですが、自然界ではいつも風雨にさらされているのです。
但し、以下の条件で雨に当てて下さい。
- 無風でジメジメした状態でないこと。
- 適温で遮光された棚の下に吊り下げること。
- 長雨の時は少し鉢内が乾くように雨宿りもしてあげましょう。
- 根がしっかり張っていることと植え方が排水良好であること。
あげた水がすっーとぬけ落ちるようであれば根腐れの心配はありません。
以上の条件にあわせて雨に当てた株は見違えるように葉のつやが良くなり、葉も大きく育ちます。そして、夏の高温にも耐えられる体力のある株になります。
よく、夏の暑さにやられたと言いますが実はそれ以前に原因があるのです。春の適期に根をいためないようにしてチェックしてみましょう。
鉢内に多量の根があればいいのですが、根がなければもうその時点で弱っているのですから夏越しは無理です。
夏の暑さばかりに気を配りがちなクールタイプについては、それ以外の適期に最善の栽培がなされていることがとても大切なのです。大切にされて水切れもないので、根がないのに元気そうに見えて花も咲かせている株が意外に多いのです。
植え方・植え替え
根なし株の植え込みにはミズゴケ主体で、極小の鉢で株元を安定させてあげましょう。根張りの良い株であっても鉢増しは一回りだけにすると根腐れしません。
植え替え後は半日ほど日陰で休ませ、過湿にならないように乾燥と湿り気を繰り返すことで発根を促します。いずれにしても鉢の大きさは根の分量に見合った大きさにすることです。
よく大きな株だからと大きな鉢に植えてありますが、葉姿の下に鉢があるように、中央を少し盛り上げて風の通りが良くなるように排水よく植えてあげましょう。